今、なぜ介護の仕事なのか
高齢社会の姿
高齢化社会あるいは高齢社会という言葉が一般に使われるようになってすでに20年ほどになる。
これは、出生数が減少し、平均寿命が上昇したことで、高齢者の割合が増加した結果であり、最近では少子高齢社会という言い方もよくされる。
平均寿命の上昇は、乳幼児期の死亡率が低下したこと、高齢者が長命になったことによる。
現在約14%である高齢者人口は、約40年後には30%近くにまで上昇すると推計されている。
このような社会は、歴史的には当然存在しなかったし、世界的にみてもわが国が最初であると言われている。
このことによって発生する問題点については、さまざまな角度から分析されているが、ここではまずライフサイクルという視点からこれをながめる。
戦後50年の歴史の中で起こった家族のライフサイクルの変化は、子ども数の減少、長寿化が最も顕著である。
また、晩婚化や子ども養育期間の短縮といった世間でよく話題となることはあまり大きな変化とはいえず、高齢者本人でみると定年後の期間の長期化や後期高齢期から始まる寡婦期間、介護者からみると老親扶養期間の長期化といった、高齢期に起こる変化の方が大きい。
では、現在高齢者はどのような生活をしているのか。
現在、要介護高齢者は約195万人(高齢者全体の2.5%)、施設等入所者は約105万人(6.2%)であるが、
高齢期間の長期化および後期高齢者の増加により、この実数および割合は今後さらに上昇することが容易に想像される。
ちなみに、後期高齢者とは、75歳以上の者のことであり、時にはオールド・オールドと呼ばれる。
当然、心身の障害や不自由も現れやすく、介護の必要な者も増えるし、その中身も重度になりやすい。
厚生省の推計によれば、寝たきり等の高齢者は、現在の約200万人から、30年後には約520万人へと、2.5倍以上増加する。
さらに、一人暮らしの高齢者や高齢者夫婦世帯など、社会的介護と隣り合わせの生活をしている高齢者も多い。
このようなケースを、従来のように、家族や親族のみでは担いきれないということが明らかになっており、ここに、社会的介護すなわち介護の職業化が求められる最も大きな理由がある。
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