二一世紀に向けての介護福祉の課題
伝統的な介護観である在宅での家族介護は、現状を考えると今後大きく増加するとは考えられない。
また、現に家族介護を行っている家庭においても、住宅改造や介護用具等の経済的負担が大きくなっており、これに対する対応も必要である。
このように、ますます増加する要介護者対策としては、以下のような課題があると考えられる。
第一は、サービス量の確保である。
これは、施設介護、在宅介護、いずれにおいても当面量的不足があり、住民が選択できるほどの量的準備が必要である。
これには、当然それを具体的に担う「ヒト」の養成が必要となる。
新ゴールドプランでは、二一世紀に向けての必要な介護関連マンパワー数を積算しているが、これによると、
ホームヘルパー、寮母等介護職員、看護婦等看護職員、いずれも残る五年間の間に、三倍前後の人材を確保しなければならない。
第二は、サービスの質的水準の確保である。
これは、利用者により効果的で、信頼のおけるサービスを行うためのものである。
具体的には、サービスの自己点検・評価、同じく社会的にこれを行うこと、利用者による不服申し立て制度、人材養成課程の内容充実、および就職後の再教育・研修体制の充実などが含まれる。
第三は、社会的介護を運営するためのシステムの開発である。
大きくは、公的介護保険制度や、焦点を絞って効率的に給付する介護手当制度のような基本的な仕組みであり、
小さいところでは、サービスを効果的に運用するマネージメントシステムの開発ということになる。
第四は、生活環境の整備である。
これは、家族介護にも関係するもので、住宅等介護環境の整備、道路・建物等地域環境の整備など、要介護者の日々の暮らしに配慮したまちづくりなどが求められる。
第五は、要介護者や介護者家族の生活に対する地域住民の理解を求める社会的啓発である。
現代は、多くの人が要介護状態と隣り合わせで生きているし、すべての人が高齢者となる。
このようなことを自分自身の問題としてとらえ、社会的にも、個人的にも高齢社会に対応する準備をしておく必要がある。
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