聴覚の障害
耳はとても大事な役割を果たしています。
私たちは生まれた直後から耳を適して言葉を学び始めるので、先天的な聴覚障害があるとそのスタートラインにもつけないことになり、
話し言葉によるコミュニケーションだけではなく、言葉を通した概念学習にも支障をきたす可能性があります。
このため、聴覚障害が先天的なものか、後天的なものか、聴覚障害の程度がどのくらいのものか、という条件によって、言葉の学習には大きな差が出てくることになります。
聴覚障害には、大きく分けて「伝音性難聴」と「感音性難聴」とがあります。
両方の要素が入り混じっている場合には、「混合性難聴」といいます。
伝音性難聴は、鼓膜が破れたり耳小骨が癒着しているなどの聴覚機構の物理的な部分の障害で、壊れた部分を直したり補聴器をつけて音を大きくしさえすれば聞こえはよくなります。
感音性難聴は細胞や神経の障害です。
音がまったく聞こえないほど重度になったり、音は大きく聞こえても音の聞き分けができなくなるなど、問題は厄介です。
耳鳴りやめまいが起こる場合もあります。
重度の場合、軽度の場合
聴覚障害が重度の場合には発見が早いことが多いので、早いうちからSTが関わり、障害の影響を極力少なくする手立てがとられます。
音声言語の獲得に限界がある場合には、手話、指文字などの話し言葉以外のコミュニケーション手段も活用することになります。
重度の聴覚障害では言葉のシャワーを十分浴びることができないため、言葉の微妙なニュアンスなどがつかみづらくなります。
言葉の発達が抽象的な思考の下支えになるため、通常であれば抽象的な思考へと飛躍していく九歳頃に、重度の聴覚障害の子供たちは学習面で大きな壁にぶつかります。
聴覚障害が比較的軽く、ある程度音が聞こえる場合には、家庭では気づきにくいため、かえって問題が見過ごされてしまうことがあります。
中には、湧出性の中耳炎に知らないうちにかかっていて、軽い難聴を起こしたまま言葉の獲得期を過ごしてしまう幼児もいます。
このような場合、聞き取れている言葉の数が少ないことから、言葉の発達に遅れが出ることもあります。
最近では、補聴器の代わりに人工内耳を身体に埋め込む方法も行われるようになりました。
しかし、補聴器や人上内耳の手術で単に音を大きくしただけでは何の音か区別することはできません。
音を聞き分ける練習を積み重ねて初めて、音の認知が正しくできるようになるのです。
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