言語聴覚士(ST)の仕事:ケースカンファレンス
家族、医療関係者など、患者さんを取り巻く人々に患者さんの言葉の状態やコミュニケーションの上手なとり方を説明するのも、STの大事な仕事です。
言葉の障害は、手足に麻痺が出る運動障害などと違って傍目にはなかなかわかりにくいものですし、周りの人たちもどのように接したらよいか、とまどうことも少なくありません。
ケースカンファレンスで患者さんの様子を報告したり、必要に応じて家族や主治医、担当の看護士、PT、OTなどと個別に話し合うことで、
患者さんの気持ちを代弁し、患者さんにとって「いごこちの良い」環境の実現をはかります。
評価が終了し、患者さんの問題点とそれに対するSTの対応が明らかになった時点で、評価報告書を作成します。
訓練計画にそって一定の期間訓練を行えば、定期的に経過報告書としてまとめ、訓練を終了する時には終了報告書を書きます。
他の病院や施設に転院する場合にも報告書を作成して送らなければなりません。
このように、STはいろいろな書類を作るのにも結構時間を割いています。
言語聴覚障害を示す患者さんを理解するには、さまざまな分野の知識が必要です。
書籍や論文を読むだけではなく、スーパーバイザーの先生や先輩に教えてもらわなければならないこともたくさんあります。
知識不足を補うため、私たちの所属する学会でも折に触れ講習会が開かれますが、私的にもいろいろなテーマの勉強会が活発に行われています。
本を読んだり、講師を招いて話をしてもらったり、症例を持ち寄ってディスカッションしたりすることで、言語聴覚障害に対する知識、理解をお互いに深めていくのです。
時には、勉強会が学会発表の予行練習などの場にもなります。
学会は、専門を同じくする人々の集団の勉強会のようなもので、臨床を長く続けている人は自分の興味に応じていくつかの学会に所属しているのが普通です。
年に数回定期的に機関紙が送られてくるだけではなく、1年に1回学術講演会が日本全国のどこかで開催され、学会員の研究発表の場となっています。
STに関連する学会には、日本聴能言語学会、日本音声言語医学会、日本失語症学会、日本神経心理学会、日本発達心理学会、日本特殊教育学会などたくさんあります。
これらの学会の多くは、
言語臨床の分野に造詣が深い耳鼻科医、神経内科医、脳神経外科医、小児科医、リハビリテーション医などの医師、心理学、言語学などの関連分野の学者や臨床家など、
いろいろな関連職域の人たちで構成されています。
臨床現場の出来事は、学校で習った知識や本に書いてある知識だけで解決できるわけではありません。
日々の臨床の中には、専門家の誰もがまだ解決していない問題点もたくさんあります。
より良い臨床技術を確立していくためには、経験にゆだねるだけではなく、常に向上する努力が必要な領域なのです。
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