言語聴覚士(ST)
言語聴覚士の仕事 機能の維持向上のための訓練や必要な検査、助言、指導を行う
言語聴覚士は、平成10年に国家資格となり、平成11年に第1回の試験が行われた新しい国家資格です。
言語聴覚士はST(Speech Therapist)スピーチ・セラピストと呼ばれるようにスピーチをあつかう専門職です。
たとえば、発声発語器官である口や耳に障害があって、言葉を正確に発音することができなかったり、耳が聞こえにくくそのために言葉が話せなかったり、
あるいは、高次脳機能障害などによって言葉そのものの理解ができなくなったりなど、言語聴覚士は、言語や聴覚に障害をもつ人に、機能の維持向上のための訓練や必要な検査、助言、指導を行います。
言語聴覚士は、医療機関においては、まず医師の診断を受けた患者の言語聴覚に関する業務のうち、聴力検査や嚥下訓練などは医師・歯科医師の指示が必要とされています。
社会生活上のコミュニケーション分野を扱う
大人の場合は、病気や事故、脳卒中などにより発症した失語症などをあつかい、障害となっているコミュニケーション手段の獲得に向けた機能回復訓練などを行います。
子どもの場合は、口蓋裂や脳性麻痺など、生まれる前、あるいは出生児の障害や、難聴による言語発達の遅れなどにかかわります。
また、学齢期になっても発音がうまくできない構音障害や、成長期におこる吃音や自閉症なども対象とし、
いずれの場合も言語発達に大きな影響を与えているそれらの障害の評価を行い、その評価にもとづいて診断し、必要な援助の治療方針をたてて治療を行います。
また、コミュニケーションの障害分野をあつかう専門職の難しさは、本人はもとより、周囲の人たちへの理解を促し、回復に向けた援助を幅広く行うことにあります。
したがって、言語聴覚士は、家族への指導や助言も行います。
さらに、いろいろな道具、たとえば単語カードなどを使った発声発語の回復訓練など、本人の意思を伝える手段の獲得をめざした、言語(スピーチ)の治療を行います。
言語聴覚士の活躍する職場 医療機関や診療所
言語聴覚士の仕事は、地域リハビリテーションの充実にかかせない
言語に障害をもつ人はほぼ100万人といわれています。
これまで言語療法士として医療機関や診療所などで活躍してきた人たちの多くは、保健診療報酬で仕事をしてきています。
言語聴覚士の養成校も大学、短大、専門学校を含めて、全国に26校とまだまだ少なく、対応するだけの人材が圧倒的に不足しているというのが現状です。
現在では、言語聴覚士の職場の多くは、医療機関がほとんどです。
リハビリテーション科をはじめとして、耳鼻咽喉科、形成外科、脳神経外科、口腔外科などで言語の治療にたずさわっています。
言語聴覚士が法制化されたことで、今後は、医療機関に併設された訪問看護ステーションや在宅介護支援センターなどでの活躍が期待されるところです。
また、老人保健施設や保健センター、機能訓練を行うデイケアセンターなど、高齢社会を反映した地域リハビリテーション分野での職場も少しずつ整備されてきています。
福祉施設では、身体障害者更生施設、児童福祉施設、老人福祉施設などに言語聴覚士が就業しています。
言語聴覚士の資格 将来有望な資格の一つ
言語聴覚士は、他のリハビリ専門職のように歴史が長くないため、就職に関してもまだまだ未開発です。
言語聴覚士の働く職場は、ほとんどが医療機関のリハビリテーション科や、医療機関と併設された福祉施設などで、これらの医療機関や福祉施設が、養成校をとおして求人をするということが一般的になると思われます。
また、各都道府県に設置されている、聴覚障害者や言語障害者の更生施設や援護施設などでは、公務員として仕事につくことになります。
養成校においても、就職の指導が開始されるのは最終年に入ってからです。
臨床実習を行った医療機関や福祉施設で仕事を続けてきた先輩たちのアドバイスを参考にして、自分の適性にあわせた分野をみつけ、
言語聴覚士としての明確な位置づけを、自分たちで築いていくという気構えで臨むことも必要と思われます。
いずれにしても、地域リハビリテーションの充実にあわせ、福祉関連分野の必要性が整備されることも遠いことではないと思います。
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