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機能的構音障害
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運動性構音障害
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失行
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言語聴覚障害に関連するその他の障害
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言語知識の障害
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言語発達遅滞
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手術後の構音障害
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吃音
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舌小帯短縮症による構音障害
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脳性麻痔による言葉の障害
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声や構音の障害(音声障害)
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聴覚の障害
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言語聴覚障害の原因
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言葉の発達について
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言語聴覚障害について
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ST(言語聴覚士)の国家試験
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言語聴覚士(ST)資格取得の為の勉強:臨床実習
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言語聴覚士(ST)資格取得の為の勉強:基礎分野
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言語聴覚士(ST)資格取得の為の勉強:専門分野
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STに必要とされる知識
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STの資格を取得するには
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言語聴覚障害学
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ST(言語聴覚士)の社旗制度の不備について
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ST(言語聴覚士)による地域ボランティア活動
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言語聴覚士(ST)の仕事:小児の言語障害
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ST(言語聴覚士)が活躍する現場
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言語聴覚士の資格取得から就職まで
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言語聴覚士(ST)の仕事:ケースカンファレンス
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ST(言語聴覚士)の仕事の流れ
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言語聴覚士(ST)という仕事について
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言語聴覚士に求められるもの
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言語聴覚士の収入
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言語聴覚士の勤務状況
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言語聴覚士の資格化の道のり
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言語聴覚士の主な仕事内容
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言語聴覚士(ST)
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機能的構音障害
聴覚や発語器官などに明らかな問題がない、つまり医学的根拠がないのに、特定の音が正しく発音できず、話しことばが不明瞭になる言語障害のことを機能的構音障害といいます。
機能的構音障害の原因はいまだによく分かっていません。
発話全般が異常となるわけではないので幼児が言葉を覚える段階だと誤解されたり、
見過ごされたりすることが多く、逆に短期間のうちに自然に治ってしまうこともあります。
問題は、分かりにくいゆえに小学校に入る頃になっても機能的構音障害だということが気付かれず、そのまま放置され、成人に達することです。
治療が遅れれば遅れるほど治りにくいので、早期発見がなにより大切です。
機能性構音障害の主な症状
個人によって不正音に特徴があり、その他の音は正常に発声できます。
ふつう不正音は丁寧に発音しても正しい発音になりません。
最近は特に機能性構音障害をもつ子供が増えています。
その急増の背景には近年の食生活の変化も関係しているようです。
カテゴリー:言語聴覚士
運動性構音障害
すみません、久々の更新でございます。少し忙しくって、記事書くのが滞っていました。
今回も言語聴覚障害について書いていこうと思います。
運動性構音障害
言葉を話すのに必要な部分、それは唇、舌、声帯などがありますがそれらの全て、あるいは一部分が麻痺して起こる構音障害のこと。
発声・発語器官のまひによって失調が起こり、うまく発声や発音ができなくなります。
ですから、運動障害性の構音障害は「話す」ことだけの障害があり、
その点が「「聞く」「話す」「読む」「書く」のすべての言葉の側面に障害がでる失語症とはこの点で異なります。
つまり、「話す」のが困難でも、代わりに「書く」ことでコミュニケーションを図ることができます。
しかし、腕に麻痺の症状が出ることもあり、利き手に運動の調節障害が起きていて「書く」ことがうまくできなかったり、
「声が出にくい」
「話がしにくい」
ことによるストレスが強かったりする場合も多いので、運動障害性構音障害もリハビリが必要です
構音(発音)に必要な器官(唇・舌・声帯など)が、麻痺のため、うまく動かすことができず、話しことばが不明瞭になります。
カテゴリー:言語聴覚士
失行
失行は、今までうまくできていた動作が思いどおりにいかなくなる症状です。
動作がぎこちなくなったり、動作のマネができなくなったり、他の動作に誤ってしまったり、違うことはわかっていても患者さんは直すことができません。
言語障害に関連したものでは、発音が思うようにできなくなる「発語失行」、口や舌を思い通りに動かせなくなる「口舌顔面矢行」、
飲み込もうとするとどのように飲み込んだらよいかわからなくなる「嚥下矢行」などがあります。
その他にも、金槌などの道具をどのように使ったらよいかわからなくなる「観念運動失行」歩こうとすると足が出なくなる「歩行失行」など、さまざまな症状が起こります。
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚障害に関連するその他の障害
脳病変による言語聴覚障害には、言語以外の高次脳機能障害といわれる症状も同時に起こることがあります。
失語には、聞いたことをとっさに覚えておけない「聴覚的記銘力障害」が必ずといっていいほどみられますし、同じ行為や言葉を反復してしまう「保続」もしばしば起こります。
「注意障害」「記憶障害」「知能障害」「情動の障害」や、時には「失認」という認知の障害、「失行」と呼ばれる行為の障害も合併します。
構音障害には、食物をうまく飲み込めなくなったり水でむせたりするような「嚥下障害」が同時に起こることがよくあります。
嚥下障害は肺炎を引き起こす原因にもなり、命に直結する障害なので、とりわけ抵抗力が低下しているお年寄りにとっては切実な問題です。
顧下機能の評価や訓練、食物の形状や食べ方の工夫の指導などに積極的に関わるSTが近年増えており、STが活躍する重要な一分野となっています。
カテゴリー:言語聴覚士
言語知識の障害
失語症
脳には言語中枢をはじめ、言葉の処理に重要な場所がいくつかあり、脳のあちこちに張り巡らされた神経のネットワークで言葉の理解や産生を行っています。
失語とは脳の病気でこのネットワークに障害が生じ、言葉をうまく理解できなくなったり、思い通りに話せなくなった状態です。
一般には言語知識の障害と位置づけられます。
障害される脳の場所によって現れる失語症状はさまざまで、「運動性失語」「感覚性失語」などのいくつかのタイプに分類されます。
どの患者さんでも「聞く」「話す」「読む」「書く」のすべての言葉の側面に多かれ少なかれ障害が生じ、言葉がなかなか思い浮かばない「喚語困難」や言葉を誤る「錨語」など、失語特有の症状が現れます。
錨語では、「保険証」を「ほたんとう」と言うように音の一部を誤ったり、「保険証」を「手帳」と言うなど言葉そのものを誤ったりします。
「運動性失語」の患者さんでは、発音が思い通りにいかなくなる「発語失行」という症状が起こるのが特徴的で、発音がぎこちなくなり、話すのにとても苦労します。
患者さんは自分の発音がうまくいかないことはわかっているのですが、なかなか直すことができません。
言葉の理解は比較的良いのですが、検査をするとやはり完全とはいえないことがわかります。読み書きにも不自由があり、とくに仮名文字が書きづらくなります。
「感覚性失語」の患者さんは一見すらすらと話せるのですが、錯語や喚語困難がはなはだしく肝心の言葉がなかなか出てこないので、
いろいろ話すわりには何を言いたいのか周りはよく理解できません。
言葉の理解も悪く、年を尋ねられたのに名前を答えてすましていたりします。
読み書きの障害も同時に起こります。
感覚性失語の患者さんの中で、理解は比較的良いのに、話す時や読む時に音の誤りが頻発し、復唱がとくにひどく苦手になるタイプがあります。
このようなタイプは「伝導失語」といわれます。
「伝導失語」とは対照的に、復唱だけがよくできる「超皮質性失語」と呼ばれるタイプもあります。
しかし、どの失語症型にもぴったりあてはまらない場合も少なくなく、症状は実にさまざまです。
カテゴリー:言語聴覚士
言語発達遅滞
言葉の発達はとても個人差が大きいものです。
普通は一歳に話し始めますが、中には二歳後半になってようやく話し始める子供もあり、二歳後半くらいにならないとなかなか言語発達の異常は明らかにはなりません。
この頃になっても、聞こえには問題はないのに言葉が出てこない、
何語かはしゃべっているがなかなか言葉が増えてこない、
などの症状があれば、言語発達遅滞として扱うことになります。
原因は、多くの場合特定できませんが、言葉以外の発達がどうであるかをみることによって言葉の学習が遅れている理由が推測でき、言葉の学習の遅れを一時的なものと考えてよいか、今後の発達にも影響がありそうか、ある程度見当をつけられます。
とりわけ、言葉の指示に従った行動がとれるかどうかが、その後の発達を考えていく上での大きな指標となります。
最近は、言葉は割合話せるのに言葉の指示に沿った行動がとれない子供が増加する傾向にあります。
このような子供は、会話が長続きしなかったり相手にわかるよう配慮して話すことができないなどの問題があるので、人との言葉のやり取りを練習する必要があります。
さまざまな発達の遅れのある子供に言語発達遅滞が起こる可能性がありますが、大部分の子供は、自閉的傾向があったり、ダウン症であったり、脳性麻痺であったり、注意の障害があったり、多動傾向があったり、言葉以外の理解力が遅れていたりなど、さまざまな問題を抱えています。
カテゴリー:言語聴覚士
手術後の構音障害
舌癌や下顎癌、喉頭癌などの外科手術で発音を作り出す器官が損なわれ、構音障害がおこる場合があります。
舌はどの部分をどの程度切除したかによって、そのあとの構音の状態が大きく異なります。
舌の先だけを切除した場合には、舌の先を使って発音するタ行、ナ行、ラ行などの音が今までのように発音できなくなるだけですが、
切除範囲が広がれば、それだけ発音には不利な状態になります。
喉頭癌で喉頭全部を摘出した場合には声帯を失ってまったく声が出せなくなるため、「食道発声」を行ったり「電気喉頭」などの器具を用いるなど、
今までとは異なる方法で声を出す工夫が必要になります。
カテゴリー:言語聴覚士
吃音
子供の吃音は、「わわっわ私は」というように言葉の初めの音を繰り返したり、
言い始める時に「ンンン……ぼーーくねえ」といった具合に言葉がつまってなかなか出てこないといった症状で始まります。
このような状態は言葉の発達の過程で一過性にみられることも多く、自然に直ることも少なくありません。
2〜3歳歳の頃は、言いたいことがたくさんあるのに言葉の数や言いまわしがまだ十分学習しきれていません。
ただでさえ言いたいこととすぐ言えることに大きなギャップがあるのに、早く言わないと聞いてもらえそうもないと子供が感じたり、
言ってもなかなかわかってもらえず言い直しをさせられるなど、子供がのびのびと話せない状態が繰り返されているうちに、言葉が詰まりやすくなって吃症状が出現します。
この時期は子供の方は吃っていてもさほど気にしているわけではありません。
周りの大人が子供の吃を気にしだし、子供がそれによってますます話すのに緊張を強いられるという悪循環の結果、吃症状は固定していきます。
成人してからの脳病変で吃症状が起こることもあります。
これは「後天性吃」と呼ばれる状態です。
カテゴリー:言語聴覚士
舌小帯短縮症による構音障害
舌を持ち上げると、舌の真ん中と口の底を結ぶ細い帯のようなものがあります。これが「舌小帯」と呼ばれる組織です。
生まれつきこの舌小帯が舌の先の方や菌に近い方に位置していると、舌の自由な動きを妨げることになります。
舌を口からつき出す時にも十分出せませんし、舌先を反らせる時にも少ししか反らすことができません。
このような人は舌を工夫してうまく動かしているので、発音を聞いただけではとくにおかしな感じはありませんが、
舌小帯を手術で切り離して舌の動きを自由にすることで、通常通りの発音しやすい状態を作り出すことができます。
カテゴリー:言語聴覚士
脳性麻痔による言葉の障害
脳性麻痺は、胎児期や出産時期周辺に脳になんらかの障害を受けた結果、身体の姿勢や筋緊張、運動バターンに異常がおこり、その脳障害が進行性ではない病態と定義されています。
運動発達が遅れたり偏ったりするばかりではなく、知的障害、てんかん、漆行動の異常、眼の障害、聴覚障害、知覚・認知障害、学習障害などのさまざまな障害を合併することもあります。
これらの障害は脳性麻痺の言語発達を阻むだけではなく、言語聴覚障害の症状にも大きく影響してきます。
このように、脳性麻痺の子供たちは生まれた時、あるいは生まれて間もない頃に障害を受け、成長していきます。
運動の障害は下顎、口、舌などの運動にも現れ、乳児期からミルクがうまく飲めない、成長しても食事がうまく食べられないなどの問題を持つことがあります。
呼吸や話し言葉の障害も現れます。
声が出にくい、声が続かない、声の状態がおかしいなどの発声の障害や発音の障害、イントネーションの異常、途切れ途切れに話すなどの症状のために、脳性麻痺の子供の言葉はとても聞き取りづらくなります。
このような障害は、それぞれの部分的な運動障害ではなく、身体全体の姿勢や筋緊張や運動パターンの異常と相互に関連した運動障害なのです。
また、言葉の概念や知識も、知的障害や経験の不足から遅れたり偏ったりすることがあります。
知的レベルは高くても、視覚的認知障害のため文字や数の学習に問題が生じたり、聴力障害のため言語発達の遅れ、対人関係、行動の間超が生じるなど、脳性麻痺の子供は一人ひとりさまざまな問題を抱えています。
運動障害や知的障害が非常に重度で、生涯にわたって快、不快の表現しかできない状態から、運動障害を持っていても、知的レベルが高く、
話し言葉が多少不自由であるにもかかわらず自立した社会生活を送れる場合もあるなど、障害のレベルにもかなりの幅があります。
カテゴリー:言語聴覚士
声や構音の障害(音声障害)
声は、肺から吐き出された空気が声帯を振動させることによって作り出されます。
声帯は喉頭の骨に左右一対張られており、筋肉の働きで、扇子の開閉のように一方の端だけ閉じたり開いたりするつくりになっています。
声帯を動かす反回神経の麻痺で声帯が開きっぱなしになったり、声帯にポリープなどの邪魔なできものができて合わさる時に隙間があると、かすれ声になったり、ガラガラ声になったり、声の質に異常が現れます。
質的に異常な声を専門的には「噴斉」といいます。
時には、息だけでまったく声が出なくなる「夫声」の状態になることもあります。
声質、大きさ、声の持続時間などが、その人の年齢や性別、環境からかけはなれている場合に「音声障害」と呼ばれます。
音声障害は、喉頭の炎症や腫瘍だけではなく、ホルモン療法の副作用などでも引き起こされます。
声を使いすぎることで音声障害になることもあります。
子供は声帯がまだ丈夫ではないうえ、むやみに声を張り上げることが多いので音声障害になりやすく、「学童暖声」と呼ばれます。
器質的な原因は明らかではないのに、話そうとするとささやき声や絞り出すような不自然な発声になるなど、
心の問題が発声に影響していると考えられる童戸障害もあります。
運動性構音障害
発音には数多くの筋肉や神経の働きが必要です。
脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などの脳の病気で、口や舌など発音に関係する器官の筋肉の力が落ちたりこれらの筋肉を動かす神経がうまく働かなくなり、
今までのようなきちんとした倍音ができなくなった状態を「運動性構音障害」と呼びます。
運動性構音障害では、音が歪んだり声が鼻にかかったりして、聞き取りづらい話し方になります。
発音にメリハリがなくなったり、ろれつがまわらなくなったりするだけではなく、話す速度やリズムが乱れて、聞き取りづらくなる場合もあります。
異常が生じた脳の場所、病気の性質によって、いろいろな発音の異常が現れます。
声の異常も同時に起こることが多く、声質が悪くなったり、低くなったり、小さくなったり、今までのように長く続かなくなったりします。
このような変化には、発音に関係する筋肉や神経だけではなく、身体を支える筋力や呼吸に関係する筋力の低下も関係しています。
機能的構音障害
発音をつくる器官そのものにはとくに問題がないのに、発音の学習がうまくいかないことがあります。
「からす」が「たらす」、「けむし」が「てむし」、「こい」が「とい」になるなど、
たとえば「か行」の音が言えないため「た行」の音に置き換えて発音してしまうような状態を「機能的構音障害」といいます。
といっても、このような状態はその子供の発達状態と照らし合わせて考えなくてはなりません。
牛乳のことを一歳半の子供が「にゅうにゅう」と言っていてもおかしくありませんが、
これが言語発達に問題がない五歳の子供の言葉だとすると明らかに問題です。
日本語の発音がなかなか学習できないだけではなく、口の真ん中から息を出すところを横から出したり、
ノドを使って発音するなど、時には通常の日本語にはないような発音を身につけてしまうこともあります。
このような、誤った発音を意識しないまま成人することも稀ではありません。
カテゴリー:言語聴覚士
聴覚の障害
耳はとても大事な役割を果たしています。
私たちは生まれた直後から耳を適して言葉を学び始めるので、先天的な聴覚障害があるとそのスタートラインにもつけないことになり、
話し言葉によるコミュニケーションだけではなく、言葉を通した概念学習にも支障をきたす可能性があります。
このため、聴覚障害が先天的なものか、後天的なものか、聴覚障害の程度がどのくらいのものか、という条件によって、言葉の学習には大きな差が出てくることになります。
聴覚障害には、大きく分けて「伝音性難聴」と「感音性難聴」とがあります。
両方の要素が入り混じっている場合には、「混合性難聴」といいます。
伝音性難聴は、鼓膜が破れたり耳小骨が癒着しているなどの聴覚機構の物理的な部分の障害で、壊れた部分を直したり補聴器をつけて音を大きくしさえすれば聞こえはよくなります。
感音性難聴は細胞や神経の障害です。
音がまったく聞こえないほど重度になったり、音は大きく聞こえても音の聞き分けができなくなるなど、問題は厄介です。
耳鳴りやめまいが起こる場合もあります。
重度の場合、軽度の場合
聴覚障害が重度の場合には発見が早いことが多いので、早いうちからSTが関わり、障害の影響を極力少なくする手立てがとられます。
音声言語の獲得に限界がある場合には、手話、指文字などの話し言葉以外のコミュニケーション手段も活用することになります。
重度の聴覚障害では言葉のシャワーを十分浴びることができないため、言葉の微妙なニュアンスなどがつかみづらくなります。
言葉の発達が抽象的な思考の下支えになるため、通常であれば抽象的な思考へと飛躍していく九歳頃に、重度の聴覚障害の子供たちは学習面で大きな壁にぶつかります。
聴覚障害が比較的軽く、ある程度音が聞こえる場合には、家庭では気づきにくいため、かえって問題が見過ごされてしまうことがあります。
中には、湧出性の中耳炎に知らないうちにかかっていて、軽い難聴を起こしたまま言葉の獲得期を過ごしてしまう幼児もいます。
このような場合、聞き取れている言葉の数が少ないことから、言葉の発達に遅れが出ることもあります。
最近では、補聴器の代わりに人工内耳を身体に埋め込む方法も行われるようになりました。
しかし、補聴器や人上内耳の手術で単に音を大きくしただけでは何の音か区別することはできません。
音を聞き分ける練習を積み重ねて初めて、音の認知が正しくできるようになるのです。
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚障害の原因
なんらかの原因で「言葉の鎖」のどこかがつながらない場合に、言語聴覚障害が出現します。
大きく分けると、言語聴覚障害が引き起こされる原因には三つあります。
第1の問題は聞こえの問題です。
耳から学ぶべき音が入ってこなければ言葉を学習することが極めて難しいものになるのは、容易に想像できることです。
第二の問題は、発音に用いる器官の問題です。
発音することを専門的には「構音」といいますので、発声や発音を作り出す体の諸器官は「構音器官」(発声の機能も意識した場合には「発声発語器官」と呼ばれます)、発音の障害は「構音障害」と呼び習わされています。
構音器官の構造や働きに不都合な点があると、きれいにはっきり発音することができません。このような障害は先天的にも後天的にも引き起こされます。
子供では口蓋裂に伴う構音障害、成人では運動性構音障害が代表的なものです。
構音器官にはとりたてて異常がみられないにもかかわらず、なぜか発音をうまく獲得していけない場合もあります。
これらは「機能的構音障害」と呼ばれます。
構音障害にはしばしば声の異常も伴いますが、声の異常だけが独立して生じた場合には構音障害とはいわず、「音声障害」と呼びます。
第三の問題は言葉に関する知識の障害です。
これにも、生まれつき言語知識を獲得しうらい先天的な障害と、いったん脳に蓄えられた言語知識がなんらかの病気で以前のように使えなくなる後天的な障害とがあります。
前者は「言語発達遅滞」、後者は「失語症」と呼ばれます。
カテゴリー:言語聴覚士
言葉の発達について
発達には正常な発達の順序.発達の時期があります。
運動発達にも個人差がありますが、言葉の発達はより個人差が大きく、一般に男の子は女の子よりも遅い傾向があります。
●2〜3ヶ月頃
なん語
●1歳半頃
意味を持つ単語を話すようになる(私語)
●2歳
多語文になる
●3歳頃
母音が分化して発音できるようになる
●4歳頃
音節という単位を意識できるようになる
●5〜6歳頃
日本語のすべての音を発音できるようになる
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚障害について
言語聴覚障害の問題は、単に言葉が不自由だというだけのことではありません。
ふつうの病気では、
「お腹が時々さすように痛い」
「頭のてっぺんがずきずきする」
など、言葉によってその大変さを伝えることができますが、言葉の障害の場合には、その肝心の訴えがうまくいきません。
自分がどんなことを考えているか、どのように感じているか、どんなことがうれしいか、などの自己表現もうまくいかないでしょう。
常に言いたいことが言えないというストレスにさらされ、駄々をこねたり物に当たり散らすなどの憂さ晴らしをしたり、自分は周りから理解されていないという疎外感、孤独感に陥ったり、馬鹿にされていると感じて攻撃的になったり、
逆にあきらめてしまったりするなど、言葉が不自由な状態は不安定な心理状態を引き起こしやすいのです。
さらに、言語聴覚障害の大変なところは、自分の社会的な基盤そのものを失う可能性があることです。
手足の不自由はないにもかかわらず、言葉が不自由になったために今やっている仕事をあきらめざるをえない患者さんは決して少なくありません。
言語聴覚障害によって、経済的、精神的な拠り所を奪われることは、自分自身に対する価値観の喪失にもつながりかねない極めて深刻な問題です。
カテゴリー:言語聴覚士
ST(言語聴覚士)の国家試験
STとして働くためには、言語聴覚士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を得なければなりません。
STの国家試験は例年三月末に行われます。
午前は専門基礎科目、午後は専門科目がそれぞれ二時間半ずつ問われます。
設問はすべて、いくつかある答えの中から一つを選びマークシートを塗りつぶす多肢選択方式ですが、
専門基礎科目でも専門科目でも設問は100題ずつありますので、迷ったりじっくり考えたり見直しをしたりすることを考えると、時間的な余裕はあまりありません。
専門基礎科目の出題例
専門基礎科目は、基礎医学、臨床医学、臨床歯科医学、音声二言語・聴覚医学、心理学、音声・言語学、社会福祉・教育の7科目です(言語聴覚士法第10条試験科目)。
これらは、臨床現場で患者を理解するために必要な幅広い知識を問われるもので、直接には言語聴覚障害とは関連のない幅広い医学知識や心理学、言語学、社会福祉などの基礎知識も出題されるため、専門科目よりも難しいと感じる人が多いようです。
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚士(ST)資格取得の為の勉強:臨床実習
STの仕事は一人ひとりのケースと関わり合う臨床業務です。
知識として覚えることと、その知識を臨床の場面で活用できるということとの間には大きなギャップがあります。
学校で学んだ知識も実際の臨床の場に還元できなければ何にもなりません。
症例が言語の問題を持っているかどうか、
持っているとしたらどのような性質のものか、
どのような予後が推定されるか、
訓練目標をどこに置くか、
目標に近づくためにどのような訓練が必要か、
などということは、一人ひとりの症例で異なり、正答はどの本にも書かれていません。
学んだ知識を基に自分自身の頭で考えていかなければならないわけで、これらの適切な判断ができないのであれば臨床家としては失格です。
各機関のSTのもとでさまざまな障害の症例を見学したり、スーパーバイザーの指導を受けつつ実際に検査や訓練を行い、
学んできたことが実際の臨床の場に還元できるような臨床訓練はとても重要です。
STの試験を受ける前には、病院や施設で約3ヶ月間臨床実習を受けることが義務づけられています。
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚士(ST)資格取得の為の勉強:基礎分野
言語学系
言葉の体系を研究する学問が言語学です。話す音声の側面を科学的に研究するのが音声学で、物埋学的側面から研究するのが音響学です。
これらの分野では、完成された言語体系だけではなく、言語構造、音声、脳、発声発語器官、認知の発達など、言語獲得の発達過程の分析も行われます。
心理学系
心理学は人間の心理過程を科学的に研究しようとするものです。一口に心理学といってもその研究範囲は大変広範囲です。
発達については発達心理学、どのように人は学習するのかといったことを研究するのは学習心理学、心の動きを情報処理アプローチによって研究する認知心理学、
いわゆる心の問題を解決しようとする臨床心理学、人間の認知や行為がどのような神経メカニズムによって支えられているかを研究する神経心理学など、実にたくさんあります。
言語をどのように獲得させることができるか、
どのように学習させたらよいか、
どのような言語機能の破綻によって症状がもたらされ、どのような対処法が有効であるか、
コミュニケーションがとれなくなって悩んでいる患者や家族にどのように対処すればよいか、
といったことに答えてくれるのが心理学であり、訓練や指導を科学的に行っていく上で不可欠な学問分野です。
言語聴覚障害に関わる研究を進めていく上で、統計学やさまざまな研究法の知識も必要とされます。
医学系
言語や音声は体があってこそ成り立つものです。
基本的な身体の仕組みについて学び、どのような身体の構造や生理によって言語や音声が生成されるのかを知ることは重要です。
たとえば、発声ひとつとっても声帯だけで作り出されるのではなく、肺の機能、体幹の骨や筋肉が十分働いてこそ、きちんとした声になるのです。
患者さんの声の状態をみる場合には、これらの機構がどのような状態か把握しなければなりませんし、
このような声の時は声帯はどのように動いているかを頭の中に思い浮かべることができなければなりません。
言語聴覚障害が引き起こされる多くの疾患について理解することも大切です。
たとえ言語聴覚障害について一番悩んでいたとしても、何かの基礎疾患があり、それが言葉の異常として現れているということが多々あります。
また、患者さんと接する時にはその人が持っている危険因子についても把握しておかなければなりません。
血圧や血糖値は安定しているのか、心臓の調子はどうなのかなど、とくに病気をしてからまもない患者さんでは注意しなければなりません。
言語訓練における安全性を確保するためにも、さまざまな病気に関する広範な知識も必要なのです。
基礎的な解剖学や生理学、発生学だけではなく、内科学、神経学、脳外科学、小児科学、精神医学、耳鼻咽喉学、薗科学等についての知識も必要になります。
社会福祉・教育系
社会制度や教育制度、リハビリテーション論、STに関わる関係法規などを学びます。
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚士(ST)資格取得の為の勉強:専門分野
言語聴覚障害学の中核となるのが専門分野です。
IALPと日本のカリキュラムとでは専門分野の科目の立て方が異なるので比較は難しいのですが、内容的にはあまり違わないと考えられます。
日本の場合は、失語・高次脳機能障害、言語発達障害、発声発語の障害、嘩下障害、聴覚障害といった障害別の科目構成になっています。
カテゴリー:言語聴覚士
STに必要とされる知識
言語聴覚障害のある人をさまざまな方法で援助するのが仕事のSTには、幅広い知識が必要となります。
1995年、世界中の言語聴覚障害の専門家が集まる国際音声言語医学会(IALP)の教育問題検討委員会において、ST教育カリキュラムのガイドラインが示されました。
ガイドラインは基礎分野、専門分野、臨床実習の三つの分野に分かれています。
基礎分野
(1)言語科学(言語学系):言語学,言語発達,社会言語学,多言 語使用,音声学,音響学,聴覚心理,言語音の産出と分類,音韻論,統語論,意味論,談話,語用論
(2)行動科学(心理学系):認知心理学,社会心理学,発達心理学,心理言語学,神経心理学,教育学,性格・個人差についての心理学,研究法
(3)生物・医科学(医学系):言語・音声の生物学的基礎,神経学,耳鼻咽喉科学,小児科学,老年医学,精神医学,聴覚学,歯科学,頭蓋顔面の異常と治療
専門分野
(1)コミュニケーション障害の多様性,その特徴と発生要因・病因 および生物学的,認知的,社会文化的観点からの解釈
(2)援助による獲得・言語機能の回復についての理論
(3)評価の方法と方策について
(4)指導の方法と方策について
(5)指導の効果についての評価法
(6)家族や社会的交流に与えるコミュニケーション障害の影響と力ウンセリング技法
(7)STが働く社会的,組織的環境について(健康や教育,関連職種の仕事,法的・倫理的問題,さまざまな資源の活用と職業的責任等)
臨床実習
(1)発達性または後天性のスピーチと言語の障害(言語発達遅滞, 構音障害,失語症等)
(2)音声障害(小児および成人)さらに,以下のタイプの内いくつ かについては実習を行うべき。
非流暢性障害(吃音等),聴覚障害,認知障害,読字障害を含む言語学習上の障害,行動・情緒の障害,精神障害,先天性または後天性の形態異常,脳性麻痔およびその他の運動障害,社会環境による二次的コミュニケーション障害,痴呆重複障宮 囁下障害および摂食障害
カテゴリー:言語聴覚士
STの資格を取得するには
言語聴覚士法の特徴は、その養成の在り方で、受験資格の取得コースが多様化していることです。
STの受験資格は、従来の高校卒業後三年の指定養成校を卒業する方法以外に、指定校を卒業しなくても大学などで指定科目を履修する方法、
および指定された科目を一部履修していれば指定校での履修期間を1〜2年短縮できる方法など、多様な方法で得ることができます。
多様な方法による受験資格は、有能な人材を輩出するものと期待されています。
STの資格取得コース
受験資格は言語聴覚士法第三十三条の受験資格に詳しく述べられていますが、以下のように整理することができます。
高校を卒業した人の場合
(1)ST養成校として国が指定した専門学校、短期大学、大学で3年以上必要な知識および技能を修得すれば国家試験を受験できます。
(2)ST養成校として指定されていない大学や大学院でも、厚生労働大臣が指定する12科目を履修すれば国家試験を受験できます。
大学を卒業した人の場合
(3)大学を卒業(中退も可)した人で、厚生労働大臣の指定する12科目のうち8科目を履修している場合、
国が指定したST養成校などで1年以上必要な知識や技能を修得して国家試験を受験できます。
(4)大学を卒業(中退も可)した人で、厚生労働大臣の指定する12科目のうち4科目を履修している場合、
国が指定したST養成校などで2年以上必要な知識や技能を修得して国家試験を受験できます。
(5)大学を卒業した人は、国が指定したST養成校などで2年以上必要な知識や技能を修得して国家試験を受験できます。
(6)ST養成校として指定されていない大学や大学院でも、厚生労働大臣が指定する21科目を履修すれば国家試験を受験できます。
医療資格等を持つ人
(7)厚生労働省が定める専門学校など(看護士、理学療法士、作業療法士等)を卒業した人(中退も可)で、
厚生労働大臣の指定する12科目のうち8科目を履修している場合、同が指定したST養成校などで1年以上必要な知識、技能を修得すれば国家試験を受験できます。
(8)厚生労働省が定める専門学校など(看護婦士、理学療法士、作業療法士等)を卒業した人(中退も可)で、
厚生労働大臣の指定する12科目のうち4科目を履修している場合、国が指定したST養成校などで2年以上必要な知識、技能を修得すれば国家試験を受験できます。
外国の資格を持つ人
(10)外国の学校を卒業、または外国でSTに相当する免許を受けた人は、厚生労働大臣が認めれば、国家試験を受験できます。
通常の医療関係職の受験資格は(1)と(9)が通常ですが、STの場合は実にさまざまです。これには、規制緩和という政府の方針もからんでいるようです。
多様な人材の参入が、これからの言語聴覚障害学の分野の活性化につながることが望まれます。ただし、現在のところ、(3)や(7)に該当する学校は存在しません。
言語聴覚士試験合格を目指して ST資格を得るためには以上のようないろいろな道がありますので、各自の条件に合わせて選ばれると良いでしょう。
ただし、学校によって費用やカリキュラムなどが異なります。
各学校に問い合わせていただくのが一番良いと思います。
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚障害学
言語聴覚障害に関する知識の体系は、「言語聴覚障害学」と呼ばれます。
言語聴覚障害は紀元前のパピルスにも書かれてあるほど古くから人間につきまとってきた問題ですが、学問体系として確立されたのは20世紀になってからで、まだとても若い学問です。
言語聴覚障害学は、基礎学問の知識を踏まえて言語聴覚障害の症状、原因、訓練方法などを考える応用学問体系です。
言語症状を理解し、どのようにするか方策を考えるためには、医学、心理学、言語学、物理学などのさまざまな分野の知識が必要です。
言語聴覚障害学は、たくさんの領域と関連している学問です。
ここで忘れてならないのは、STは「言語症状」ではなく言語聴覚障害を持つ一個の「人間」を対象としているのだということです。
言語聴覚障害学という専門的な立場から言語聴覚障害児者と接していても、コミュニケーションの問題だけを考えればよいのではなく、
広い視点から相手のことを考えていかなければなりません。
ST自身の物の見方、人生観なども仕事を進める上で常に問われることになります。
専門知識を手にいれるだけではなく、自分自身を育てていくことも忘れてはならないのです。
カテゴリー:言語聴覚士
ST(言語聴覚士)の社旗制度の不備について
医療の分野で働くSTは保険請求で評価・訓練を行っていますが、
まだまだリハビリスタッフとして一緒に働くPTやOTの保険点数よりもかなり低く抑えられているのです。
このため、経営的に採算が取れないことがSTの採用をためらう要因になっているのではないかという指摘もされています。
福祉分野では、介護保険がスタートしたことで、とくに成人のSTの訓練がなくなったり、減らされたりする動きがあります。
教育分野では、「ことばの教室」の担当者は基本的に教員なので、必ずしもST資格を持っているわけではないという問題があります。
STも文部科学省の「特殊教育認定試験・自立活動(言語障害教育)」を受ければ、「ことばの教室」で働くことができますが、
必ずしも門戸が広く開かれているわけではないという現状があります。
このような社会制度の不備、矛盾を見据え、言語聴覚障害児者の利益を代弁した活動を行っていくのも、今後のSTに課された課題です。
日本のSTの養成コースは、高校卒業後三〜四年の専修学校、短大、大学、大学院および短縮コースと実に多様で、STにつながる道が一人ひとりの事情によってたくさん開けているという良い面もありますが、
道が一本化していないことによる混乱が起こらないとも限りません。
今後、どのようにしたらSTにとってもSTが支える患者さんにとっても、言語臨床の場をより良いものにしていけるのか、
考えていかなければならない問題は山積しています。
国家資格ができて、今やっと日本の言語聴覚障害学がスタートラインに立ったともいえるのです。
カテゴリー:言語聴覚士
ST(言語聴覚士)による地域ボランティア活動
病院での機能回復訓練を終え、地域に帰った言語聴覚障害児者は、家庭の中であるいは地域の中で、入院中には予想もしなかったさまざまな問題に直面します。
ともすれば社会性を失い孤立しがちな障害者が、再び生き生きとした生活を構築できるよう、病院を退院した後にもきめ細かな援助が必要です。
具体的なコミュニケーション方法の訓練が必要な場合もあれば、障害を理解し適切な方法でコミュニケーションをとってくれる人をできるだけ増やすように、
家族や関係者に働きかけることが必要な場合もあります。
コミュニケーションの楽しさを取り戻すべく障害者同士の交流の場を作ったりするなど、コミュニケーションの環境作りに力を注ぐ必要がある場合もあります。
このようないわゆる「地域リハビリテーション」活動は、まだまだ不十分な体制で、
訪問活動も含め、その多くはSTによるボランティア活動に支えられているのが現状です。
高齢化や介護保険の導入に伴い、今、早急な制度化やSTの適正な配置が求められている分野の一つです。
訓練意欲はあるのにいろいろな事情で通院が困難だったり、地域にうまく溶け込めず家に閉じこもりがちになってしまう障害者の方には、家庭訪問をしてくれる保健師さん、ボランティアの方は心強い味方です。
保健師さんやボランティアと協力して、自宅復帰した言語聴覚障害者への働きかけを行っている地域もあります。
個人で開業して言語聴覚障害者への支援をしているSTもいます。
今のところは主として子供を対象としているSTが多く、マンション、一軒家、あるいは歯科医院などの開業医の一室で臨床活動を行っています。
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚士(ST)の仕事:小児の言語障害
小児の言語聴覚障害では、器質的な異常があるかどうかまず医学的な検査を受け、必要であれば治療を行うことになります。
このような場合、医療施設で言語評価や訓練、指導を受けることも少なくありません。
しかし、とくに手術や投薬等の医学的アプローチが必要ではない子供も多く、
その場合は医療を離れ、教育施設や福祉施設で言葉の評価や訓練、指導を続けるのが一般的です。
言語発達の遅れは、一歳半検診、三歳児検診などの検診で母親が言葉の遅れを相談したり言葉の発達の遅れを指摘されたりするなど、地域の保健所や保健センターで発見されるケースがほとんどです。
このようなケースに対応するため、市町村にある福祉センターでSTが相談指導を行う地域も増えつつあります。
障害児通園施設、障害児入所施設、福祉センターなどの福祉の領域で働くSTの数はまだ不足しています。
しかし中には、障害児の統合保育をしている保育園にSTが月に1〜2回程度通って指導にあたっている地域もあります。
学校教育の場には、言葉に関する問題を抱えた児童のための「ことばの教室」と聴覚障害児のための「難聴学級」とが、県や市、区などの地域ごとに設置されています。
どちらも、言葉の発音に問題があったり、言語能力を通常の授業だけでは十分のぼせないと考えられる場合に、普通の学級に籍をおいて週に1〜2回通う学級です。
担当する先生は小学校の先生ですが、STの資格を持つ先生もいます。
地方によっては、近くに相談所がないということで、幼児であってもことばの教室で相談や指導を受けている場合もあります。
心身障害児のための学級に、STが過に一回程度出向いて、その学級の子供たちの言語機能やコミュニケーション能力に関して評価し、指導の方向性をアドバイスをしている地域もあります。
まだまだ少数ですが、養護学校に養護・訓練教諭の免許を持っているSTが配置されている場合もあります。
カテゴリー:言語聴覚士
ST(言語聴覚士)が活躍する現場
医療現場では、STはリハビリテーション科に所属していることが多いのですが、耳鼻咽喉科、脳神経外科、神経内科、小児科、口腔外科、形成外科、歯科などに所属して活躍するSTもいます。
言語聴覚障害の患者さんにはさまざまな分野の専門家が関わります。
たとえば、口蓋裂の場合には、小児科、形成外科、耳鼻咽喉科、歯科などの医者が専門的立場から治療を行います。
口蓋裂の子供は、成長に応じて何回か手術を繰り返さなくてはなりませんし、
その間、口の中の穴を塞いだり筋肉のサポートをする特殊な碓綴具をはめる必要もあります。
きれいに歯が生えそろわない、虫歯にかかりやすいなど、歯科的なケアも欠かせません。口の構造上の問題から中耳炎などの病気になりやすい傾向もあります。
これらのいろいろな領域の問題を踏まえつつ、STは口蓋裂の子供の言語発達、構音発達について関わっていきます。
医療分野で働く際には、一歩誤れば患者さんに危険を及ぼすような行為が業務に含まれることもあります。
れん下訓練、人工内耳の調整の他、厚生労働省令に記載されている、聴力検査、聴怪脳幹反応、音声・言語機能に係わる検査・訓練のうち、他動運動や抵抗運動を伴うもの、
または薬剤や器具を使用するもの、耳型の採型、補聴器装用訓練が診療補助行為にあたることになります。
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚士の資格取得から就職まで
言語聴覚士の資格を取得するには、8つのコースがある。
大多数の人は、
高校を卒業して厚生労働省の指定する言語聴覚士養成校で3年以上学ぶか、
言語聴覚士の養成課程をもつ4年制大学で学ぶ、
あるいは一般大学を卒業して2年以上学ぶ、
などのコースに進むことになるだろう。
したがって、どのコースを選択するかで準備の仕方も変わってくる。
たとえば、ある3年制の専門学校では、言語聴覚療法学科の定員30人のところ、15人は出身高校長による推薦(学習成績概評3・5以上)と面接、作文で選抜する方式が採用されている。
残りの定員は、国語(現代文のみ)、英語Ⅰ・Ⅱ、数学Iと面接で選抜している。
また同校は、大学卒業者のための言語聴覚療法専攻学科も設けており、英語と小論文、面接で定員20人を受け入れている。
また、ある公立の4年制大学の場合は、定員30人のうち23人程度を一般入試で選抜し、7人を推薦で、さらに若干名の社会人枠を設けている。
公立大学では、一般入試は大学入試センター試験で第1次選抜を行い、さらに個別の学力検査として小論文と面接が行われる。
推薦と社会人枠の場合はセンター試験が免除されている。
ほかに、昼間の4年制や夜間4年制の養成コースを開設している専門学校もある。
養成後は、資格制度がスタートした当時は32校だったが、2003年4月には47校となっており、入学定員は合計1905人。
入学してからのカリキュラムは、コースによって若干違うが、国家試験に備えて言語聴覚障害学やリハビリテーション医学など専門領域についての知識を深めるいっぽう、
哲学、心理学や解剖学、薬理学などを幅広く学ぶことになる。
国家試験は、基礎医学から音声・言語学、失語高次脳機能障害学など12科目。
厚生労働省から委託された財団法人医療研修推進財団によって試験が実施されている。
言語聴覚士の国家試験は、毎年3月に行われ、1カ月後の4月に合格発表というスケジュールになっている。
合格率を見ると第5回試験(2003年3月実施)は42%で、大量の4004人という合格者を排出した第1回試験の87%を除けば、50%台、40%台と推移している。
かなり厳しいと思うかもしれないが、第5回の合格率の内訳を見ると、指定養成校卒者75.4%、既卒者16.9%となっている。
有資格者は5回の試験を経て2003年4月、7767名となった。
厚生労働省の統計では、そのうち約3000人が病院に勤務していることになるわけだが、就業先としては、医療機関、老人介護施設、言葉や聴こえの教室などの教育機関のほかにも在宅サービス機関や行政関連の機関などを含めると優に3万人を超える。
求人は多方面からある。
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言語聴覚士(ST)の仕事:ケースカンファレンス
家族、医療関係者など、患者さんを取り巻く人々に患者さんの言葉の状態やコミュニケーションの上手なとり方を説明するのも、STの大事な仕事です。
言葉の障害は、手足に麻痺が出る運動障害などと違って傍目にはなかなかわかりにくいものですし、周りの人たちもどのように接したらよいか、とまどうことも少なくありません。
ケースカンファレンスで患者さんの様子を報告したり、必要に応じて家族や主治医、担当の看護士、PT、OTなどと個別に話し合うことで、
患者さんの気持ちを代弁し、患者さんにとって「いごこちの良い」環境の実現をはかります。
評価が終了し、患者さんの問題点とそれに対するSTの対応が明らかになった時点で、評価報告書を作成します。
訓練計画にそって一定の期間訓練を行えば、定期的に経過報告書としてまとめ、訓練を終了する時には終了報告書を書きます。
他の病院や施設に転院する場合にも報告書を作成して送らなければなりません。
このように、STはいろいろな書類を作るのにも結構時間を割いています。
言語聴覚障害を示す患者さんを理解するには、さまざまな分野の知識が必要です。
書籍や論文を読むだけではなく、スーパーバイザーの先生や先輩に教えてもらわなければならないこともたくさんあります。
知識不足を補うため、私たちの所属する学会でも折に触れ講習会が開かれますが、私的にもいろいろなテーマの勉強会が活発に行われています。
本を読んだり、講師を招いて話をしてもらったり、症例を持ち寄ってディスカッションしたりすることで、言語聴覚障害に対する知識、理解をお互いに深めていくのです。
時には、勉強会が学会発表の予行練習などの場にもなります。
学会は、専門を同じくする人々の集団の勉強会のようなもので、臨床を長く続けている人は自分の興味に応じていくつかの学会に所属しているのが普通です。
年に数回定期的に機関紙が送られてくるだけではなく、1年に1回学術講演会が日本全国のどこかで開催され、学会員の研究発表の場となっています。
STに関連する学会には、日本聴能言語学会、日本音声言語医学会、日本失語症学会、日本神経心理学会、日本発達心理学会、日本特殊教育学会などたくさんあります。
これらの学会の多くは、
言語臨床の分野に造詣が深い耳鼻科医、神経内科医、脳神経外科医、小児科医、リハビリテーション医などの医師、心理学、言語学などの関連分野の学者や臨床家など、
いろいろな関連職域の人たちで構成されています。
臨床現場の出来事は、学校で習った知識や本に書いてある知識だけで解決できるわけではありません。
日々の臨床の中には、専門家の誰もがまだ解決していない問題点もたくさんあります。
より良い臨床技術を確立していくためには、経験にゆだねるだけではなく、常に向上する努力が必要な領域なのです。
カテゴリー:言語聴覚士
ST(言語聴覚士)の仕事の流れ
一日は朝九時からのミーティングで始まります。
ここでは事務事項の伝達、その日の仕事の打ち合わせなどが行われます。
リハビリテーションスタッフには、医師、PT、OTなどがいて、チームワークを組み、一人の患者さんをいろいろな側面から支援する体制がとられています。
九時を過ぎると、外来患者さんがやってきたり、入院の患者さんが病室から降りてきて、忙しい一日が始まります。
個人訓練は、患者さんの体力やこなすべき課題量、訓練回数など一人ひとりの条件によって異なりますが、1回15分〜1時間くらいの訓練を、入院患者さんで週に3〜5回、外来患者さんで週に1〜2回行うのが普通です。
個人訓練と併行して、あるいは個人訓練を終了した後にグループ訓練を行う場合もあります。
この場合にも、30分〜1時間以上の時間が必要です。
このため、訓練はすべて予約で行います。
STの仕事は患者の評価や訓練・指導だけではありません。
患者だけではなく、家族の悩みや不安を聞き、話し合うこともとても重要です。
もちろん職務上知り得た患者の個人情報については、守秘義務があることを忘れてはいけません。
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言語聴覚士(ST)という仕事について
あなたは「言語聴覚士」という名前を聞いたことがあるでしょうか?
ずいぶんいかめしい耳慣れない名前だと思われることでしょう。
その名称からおおよその仕事の内容を察していただくことはできても、言語聴覚士の行っている仕事の範囲や仕事の内容についてご存知の方はまだまだ少数です。
ここでは、言語聴覚士という仕事に興味を示してくださる方、将来お仲間に加わっていただけるかもしれないあなたに、言語聴覚士の「世界」をご紹介したいと思います。
言葉聴覚障害について
言語聴覚障害は私たちのごく身近に存在する障害です。
言葉が不自由な方は、きっとあなたの周りにもいらっしゃるのではないでしょうか。
話そうとすると吃るので悩んでいる友達。
「うちの子は言葉が遅くて・・」
と心配しているお母さん。電車の中の手話の光景。あなた自身が言葉のことで悩んだ経験をお持ちかもしれません。
言葉の異常は、発達過程の子供だけではなく、成人してからの病気でも引き起こされます。
言葉をうまく獲得できない場合があることは知っていても、大人になってから言葉が自分の思い通りに使えなくなるなどということは、普通、夢にも考えないでしょう。
言語聴覚障害になった患者さんや御家族からは、
「言葉が不自由になるなんてことがあるとは思わなかった」
「言語聴覚障害がこんなに大変なものだとは思わなかった」
という話をよくうかがいます。
少し前まで、言語聴覚障害は社会的に十分認識されていませんでした。
言葉が遅れていても発音が少しぐらいおかしくても、それはその子のクセみたいなもので仕方ない、あるいははうっておけばどうにかなるだろう、痛いわけでも命にかかわるわけでもないし……。
こんな風に軽く考えられていたのです。
このような言葉の悩みを抱えた人とお付き合いするのが言語聴覚士(Speech-language-hearing Therapist 以下STと略す)の仕事です。
STの仕事は、このような言語聴覚障害児者の方々の言葉の状態を見極め、その障害がどのようなことから引き起こされているのか、
将来どのような状態になると考えられるのか、
改善するためにはどのようなことをしたらよいかなどということを、客観的なデータを基に考えます。
訓練、指導などで直接に働きかけるだけではなく、ご家族など言語聴覚障害児者を取り巻く人々に言葉の状態について説明し、理解を求め、言語聴覚障害旧著にとってより良い環境を整えていくのも、STの重要な仕事です。
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚士に求められるもの
人を動物から隔てる最大の要素を「言語」とするならば、言語聴覚士の仕事は数あるリハビリテーション分野の中でもいちばん「人間的」な職業かもしれない。
にもかかわらず、30年という実績がありながらも国家資格として認められたのがもっとも遅いのは、
スペシャリストとして定型化するには、あまりに対象が広範囲にわたること、そして重層的な仕事であることも関係しているのかもしれない。
言葉によるコミュニケーションに障害がある人を相手にする専門職のため、相手を丸ごと人間として理解しようとするやさしさと洞察力、そして懐の深さと広さが求められることになる。
相手が言葉をうまく使えないだけでなく、こちらも言葉による説明が伝わらないのだから、言葉以外にもさまざまなアプローチができる萄配さと創意、そして忍耐強さも求められるのではないだろうか。
そして言うまでもないが、言語訓練は患者の生活全般にかかわるものなので、リハビリチームの医療スタッフだけでなく、患者を取り巻く家族や友人知人たちとも密接に連携し理解しあうことが大切だ。
言語障害の原因はさまざま。耳が聞こえない場合、声を出す器官に疾患がある場合、脳になんらかの異常があるため言葉を失ったり、意味をつかめなくなる場合などがあげられる。
言語聴覚士の仕事の特徴として、ひとつは隣接領域の専門家とチームを組んで患者のリハビリテーションに尽くすことがあり、
障害の原因によって協力する専門家が違ってくるので、協調性に欠ける人は残念ながら不向きといえる。
たとえば、脳血管障害などによる失語症の場合は、脳神経外科医や神経内科医をはじめ看護師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーらとリハビリテーションのためのチームを組むことになる。
そのなかではリーダーシップを発揮できることよりも、必要な場面で必要なスタッフとタッグを組める柔軟さと、自分の専門職としての発言をきっちりできる側面がないと、患者もチームもコントロール不能となってしまうだろう。
また、従来は主として病院が活動の場だったが、徐々に介護老人保健施設や介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に加えて、在宅医療サービスでの仕事も増える傾向に一部ではあるようだ。
人生のベテランである高齢者に対しては、専門家として指導をする以前に、敬意をもって接する態度が必要となるだろう。
言語聴覚士のカリキュラムが比較的、時間をかけて広範囲に学ぶよう工夫されているのも、幅広い知識と関心を養えるようにとの配慮が働いているためのようだ。
人生の半ばで言葉を失ったり、獲得が遅れている人たちをやさしく包みこんで理解し、ほかの分野の専門家と組んで、あらゆる方法で障害を克服するために、
自分自身がすぐれたコミュニケーション能力を維持していかなければならない。
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚士の収入
言語聴覚士は、資格ができて歴史が浅く統計に表れていないが、おおよその目安としての初任給は18万円ぐらいといわれている。
同じリハビリテーション部門で肩を並べて働くことが多い理学療法士や作業療法士に比べると、若干給与が低いようだが、
この理由としては、給与のベースとなる仕事に対する評価=報酬をどこから出すことができるのかが資格化後も不明瞭な点があったためである。
しかし平成14年度から、医療機関で行われる「言語聴覚療法」に対する評価が大幅に見直され、保険報酬額がアップされた。
今後は言語療法士に対する求人とともに給与の増額が期待できるだろう。
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言語聴覚士の勤務状況
言語聴覚士は、1997年の資格化以前は、どちらかというと教育の現場での仕事が大きく注目されていたが、
あらたに養成機関を履修して資格を取った者の就職先としては、医療機関のリハビリテーション科・耳鼻咽喉科をはじめ、心身障害児施設、聴覚・言語障害者更生施設、保健所など、医療機関もしくは保健・福祉機関が中心となっている。
医療機関に勤める場合は、その医療機関の診療時間にあわせた勤務となり、平日は9時~17時、日曜・祝日は休診のところがほとんどだが、土曜診療を行っているところは、その日も勤務ということになる。
また、極端な残業などはないようだが、言語療法は、患者と向き合って行う対面ワークであり、一人ひとりの患者の病状にあわせたきめ細かな対応が求められる。
それだけに、仕事を深めるための情報収集や、学会・勉強会への参加など、勤務時間外の勉強も必要となることは心得ておく必要があるだろう。
なお、言語聴覚士の中には、独立開業している人もいる。
医療機関や教育機関などと提携して言語治療や訓練などを行っている人もいる。
そのような自立性の高い職種でもあるのだ。
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言語聴覚士の資格化の道のり
コミュニケーションと食べる障害にかかわる仕事として誕生
『ヘレン・ケラー物語』を知っているだろうか。
主人公へレン・ケラーは実在のアメリカ人女性だ(1880~1968年)。
彼女の全生涯については知らなくても、赤ん坊のときに高熱で視力と聴力を失い、幼時期を他人とまったく会話することなく過ごしたこと。
それが家庭教師サリバン女史と出会い、聞くこと・話すことができるようになり、人として当たり前の他人とのコミュニケーションができるようになったという感動的な前半生については、一度は聞いたことがあると思う。
言語聴覚士は、このヘレン・ケラー物語に登場するサリバン女史のような役割が期待される職業だ。
聞く力、話す力を養うという役割。
けれど、それがすべてというわけでもない。
サリバン女史から連想する言語聴覚士像というと、「話すことや聞くことに障害のある子どもに訓練をする人」になってしまうが、それは言語聴覚士としてはごく一部の姿に過ぎない。
実際の言語聴覚士は、子どもに限らずお年寄りまでを含めたあらゆる年代の人を対象に仕事をしている。
そして、「聞く・話す訓練」だけではなく、高度な機器を使った聴力検査や、また「食べることの障害」にもかかわっている。
言語聴覚士の誕生
「言語聴覚士」は、じつはたいへん新しい資格職だ。
1997年12月、国会で成立した「言語聴覚士法」によって誕生。
第1回国家試験が行われたのは、21世紀を目前に控えた1999年のことである。
とはいえ、法律ができるまで言語聴覚士がまったくいなかったのかというとそうではない。
すでに半世紀近くにわたって、医療、福祉、教育という広い分野で活躍していたことが記録されている。
文献によれば、1900年前後に、言語療法の基礎的な医学理論がドイツから伝えられ、大正から昭和にかけての1920~1930年頃に、大学病院で診療が始まっている。
同時期に、東京都内の小学校数カ所に「吃音学級」や「難聴学級」が設けられた。
「吃音」とは言葉を発する障害があること、「難聴」とは聞く障害があることを意味するが、
こうしてみると戦前にはすでに、話すこと・聞くことに障害のある児童を、専門に教育するクラスが設けられていたことがわかる。
戦後は復興まもない1950年代に、千葉県の小学校に「言語治療教室」が、そして1958年には国立ろうあ者更正相談所が設立され、活動のベースは広がっていった。
1971年には、わが国初の養成校である国立聴力言語障害センター付属聴能言語専門職員養成所が開設され、
70年代半ばには100~200人、80年代半ばには600~700人、90年代に入ると5200人ほどが、いわゆる「言語聴覚士」の業務を行っていたようだ。
このように言語聴覚士の歴史は、決して真新しいものではなく、医師や看護師などとほぼ変わらぬ歴史が積み重ねられている。
当然のことながら早くから、法律の整備と国家資格化を望む声は高まっていた。
そして実際に資格化の検討は、理学療法士や作業療法士、視能訓練士などと同じ1960年代に始まったのだ。
しかし、当時は結局見送られ、30年以上遅れての誕生となった。
その理由はさまざまあるようだが、ひとつは
「はじめからその活躍のベースが幅広過ぎた」
ということが言われている。
そもそも言語聴覚士の資格化を望む声は、医療の分野で活躍する関係者から高まったというが、その仕事を「幼児教育の一環」とする意見もあり、
そのため検討会で、
「医療職として資格化してよいものなのか」
「医療職とは呼べない。あまりにもほかの医療職と比べて異質だ」
との声に押されてしまい、資格化は却下されてしまったという。
また、「養成課程は4年制であるべき」という意見があったことも、資格化の道をはばんでしまったといわれている。
このような意見に対しては、当時検討会の意見をまとめる立場にあった厚生省(現・厚生労働省)が、
「医師、歯科医師以外の医療職は、高校卒業後3年課程が基本となっている」
との理由で受け入れず、なかなか資格化の法案はまとまらなかった。
資格化検討の動きは、その後も何度か行われたが、医療か教育かという意見がまとまらず時を経てしまう。
最終的な検討は1988年に始まったが、このころになると、名称が議論の的にもなった。
すでに巷間では、それぞれに職能団体が作られ、
「言語療法士」「言語治療士」「聴能言語士」「臨床言語士」、欧米の職種名をカタカナ読みした「スピーチセラピスト」、
さらにはその頭文字をとった 「ST」などさまざまな名称を用いて活躍する先輩たちの姿があったためだ。
最終的には検討会での協議で、いずれかの名称を採用するのではなく、まったく新しい 「言語聴覚士」という名称を作った。
現在は「言語聴覚士」、通称STと呼ぶのが一般になっている。
カテゴリー:言語聴覚士
言語聴覚士の主な仕事内容
心理的なケアが言語聴覚士が行う治療の入り口
形成外科で言語聴覚士が対象とするのは、先天性の口唇口蓋裂の乳幼児とお母さんです。
口唇裂は、うわくちびるが生まれつき裂けたように変形しているもの、口蓋裂は、うわあごが変形しているもので、言葉を産み出す発声発語器官の障害ですから、言語聴覚士がかかわらなければならない疾患のひとつです。
出生直後や生後1カ月ほどで、産院や小児科から紹介されて訪れるお母さんの気持ちはとにかく沈んでいますから、心理面のケアが、まずは大事な治療の入り口となります。
正しいスピーチの獲得の為に
訪れるお母さんの気持ちをやわらげるとともに、子どもと一緒にリラックスできるような雰囲気づくりが重要です。
初回面接では、まずはじめに、
口蓋裂はこれからの治療によって克服できる障害であることを話し、お母さんと一緒にお子さんの成長を援助していくという姿勢をはっきり示します。
また、口唇口蓋裂の治療は、外科的な手術をするほかに、たとえば、噛乳の指導、耳鼻疾患の治療や聴こえの管理、むし歯の管理や矯正治療など、
多くの問題が生じる可能性がありますから、カウンセリングをともなう面接時では、出生から成人にいたるまでの治療のながれを説明して、お母さんへの指導や援助を行います。
この心理面のケアや子どもの発声発語の治療は、初診から一貫して言語聴覚士のながれで行われます。
言語聴覚士は、患者さんや周囲の人たちに直接働きかけて、正常なスピーチの獲得を目指します。
そのために外科的な手術を、通常は1歳前後と3歳前後に2回行いますが、言葉の発達への働きかけは出生直後から行い、乳児期の言語管理や、成長期のこころの問題などにも深くかかわります。
口唇口蓋裂の治療
口唇口蓋裂の多岐にわたる問題には、多くの専門職とのチーム医療体制で対応します。
チームには言語聴覚士のほかに、外科手術をする医師をはじめ、小児科、耳鼻咽喉科、歯科、放射線科などの診療科、そして看護士、ソーシャルワーカー、臨床心理士、教師、保育士など療育担当者などの専門職がかかわります。
言語聴覚士はこれらのチーム医療の各専門職の調整役を担っています。
言語聴覚士の役割は、最終的に患者さんが正常なスピーチを獲得し、社会のなかで十分なコミュニケーションができるように援助をすることです。
たとえば、ひとりの子どもに対して、言語聴覚士は、その子どもの障害だけをみるのではなく、その障害がその子どもにとってどのような影響を与えているかという視点、
つまりその子どもの全体を見て、それぞれの専門性が有機的に生かされてくるような調整をすることになります。
ですから医師との信頼関係が十分できていなければなりません。
たとえば、初回の手術がおこなわれても言葉が不明瞭であるという場合、なぜ不明瞭なのかを評価し、口の中、つまり手術に問題があって不明瞭であると評価したときは、
言語聴覚士がきちんとそれを医師に伝え、必要ならば再手術を依頼することもあります。
外科医は、子どもの言語発達については専門外なのです。
口唇口蓋裂は、形成外科的な手術をしても外見上やスピーチ機能など、最終的には隠せない障害ですから、子供が、病気という大きな障壁を乗り越えて、元気に高校や大学に進学したという知らせを聞くと、それはとても嬉しいでしょう。
子どもは案外、自分の障害を乗り越えて成長していく強さを持ち合わせていますから。
子どもの発達の過程でのお母さんの関わりかたや、治療する人たちの関わりかたなど、一般的にみても、
子どもや障害のある人に対しては、どうしても指示的にすすめてしまう傾向があるような気がします。
臨床にかかわる仕事の場合はとくに、待つということがとても大事です。
それにはやはり相手の気持ちが理解できなければなりません。
言語聴覚士は、患者さんの生活全体を捉えて言語発達の障害をあつかう仕事ですから、
これから言語聴覚士を目指そうとする人たちにはぜひ、育児体験など自分たちのふつうの生活経験をとおして、それを仕事に役立ててほしいと思います。
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言語聴覚士(ST)
言語聴覚士の仕事 機能の維持向上のための訓練や必要な検査、助言、指導を行う
言語聴覚士は、平成10年に国家資格となり、平成11年に第1回の試験が行われた新しい国家資格です。
言語聴覚士はST(Speech Therapist)スピーチ・セラピストと呼ばれるようにスピーチをあつかう専門職です。
たとえば、発声発語器官である口や耳に障害があって、言葉を正確に発音することができなかったり、耳が聞こえにくくそのために言葉が話せなかったり、
あるいは、高次脳機能障害などによって言葉そのものの理解ができなくなったりなど、言語聴覚士は、言語や聴覚に障害をもつ人に、機能の維持向上のための訓練や必要な検査、助言、指導を行います。
言語聴覚士は、医療機関においては、まず医師の診断を受けた患者の言語聴覚に関する業務のうち、聴力検査や嚥下訓練などは医師・歯科医師の指示が必要とされています。
社会生活上のコミュニケーション分野を扱う
大人の場合は、病気や事故、脳卒中などにより発症した失語症などをあつかい、障害となっているコミュニケーション手段の獲得に向けた機能回復訓練などを行います。
子どもの場合は、口蓋裂や脳性麻痺など、生まれる前、あるいは出生児の障害や、難聴による言語発達の遅れなどにかかわります。
また、学齢期になっても発音がうまくできない構音障害や、成長期におこる吃音や自閉症なども対象とし、
いずれの場合も言語発達に大きな影響を与えているそれらの障害の評価を行い、その評価にもとづいて診断し、必要な援助の治療方針をたてて治療を行います。
また、コミュニケーションの障害分野をあつかう専門職の難しさは、本人はもとより、周囲の人たちへの理解を促し、回復に向けた援助を幅広く行うことにあります。
したがって、言語聴覚士は、家族への指導や助言も行います。
さらに、いろいろな道具、たとえば単語カードなどを使った発声発語の回復訓練など、本人の意思を伝える手段の獲得をめざした、言語(スピーチ)の治療を行います。
言語聴覚士の活躍する職場 医療機関や診療所
言語聴覚士の仕事は、地域リハビリテーションの充実にかかせない
言語に障害をもつ人はほぼ100万人といわれています。
これまで言語療法士として医療機関や診療所などで活躍してきた人たちの多くは、保健診療報酬で仕事をしてきています。
言語聴覚士の養成校も大学、短大、専門学校を含めて、全国に26校とまだまだ少なく、対応するだけの人材が圧倒的に不足しているというのが現状です。
現在では、言語聴覚士の職場の多くは、医療機関がほとんどです。
リハビリテーション科をはじめとして、耳鼻咽喉科、形成外科、脳神経外科、口腔外科などで言語の治療にたずさわっています。
言語聴覚士が法制化されたことで、今後は、医療機関に併設された訪問看護ステーションや在宅介護支援センターなどでの活躍が期待されるところです。
また、老人保健施設や保健センター、機能訓練を行うデイケアセンターなど、高齢社会を反映した地域リハビリテーション分野での職場も少しずつ整備されてきています。
福祉施設では、身体障害者更生施設、児童福祉施設、老人福祉施設などに言語聴覚士が就業しています。
言語聴覚士の資格 将来有望な資格の一つ
言語聴覚士は、他のリハビリ専門職のように歴史が長くないため、就職に関してもまだまだ未開発です。
言語聴覚士の働く職場は、ほとんどが医療機関のリハビリテーション科や、医療機関と併設された福祉施設などで、これらの医療機関や福祉施設が、養成校をとおして求人をするということが一般的になると思われます。
また、各都道府県に設置されている、聴覚障害者や言語障害者の更生施設や援護施設などでは、公務員として仕事につくことになります。
養成校においても、就職の指導が開始されるのは最終年に入ってからです。
臨床実習を行った医療機関や福祉施設で仕事を続けてきた先輩たちのアドバイスを参考にして、自分の適性にあわせた分野をみつけ、
言語聴覚士としての明確な位置づけを、自分たちで築いていくという気構えで臨むことも必要と思われます。
いずれにしても、地域リハビリテーションの充実にあわせ、福祉関連分野の必要性が整備されることも遠いことではないと思います。
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