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義肢装具士の収入
義肢装具士については、正確な初任給、平均給与などの統計が調査されておらず、はっきりとした数値はわからないが、「一般の中小企業並み」と考えればいいようだ。
参考までに一般企業における産業別の初任給を紹介しておく。
義肢装具士の養成課程は3年課程の短大卒と同レベルなので、その辺が目安となるだろう。
手取りの給与額は、最低で15万円ほど、最高でも19万円弱といわれている。
また、企業形態としても、そのほとんどが従業員数10人以下という小規模経営で、福利厚生面などが未整備なところも多い。
資格手当ても、企業側としては
「資格はあっても即戦力には遠い」
というのが本音としてある。
技術をベースとした資格職だけに、対価(報酬)をもらえるだけの仕事ができるようになるには、それなりの経験が必要となる。
そのあたりの厳しさは、覚悟しておく必要があるだろう。
もちろん、そんな仕事や待遇面の厳しさに変えられないやりがいや魅力に満ちた仕事であることはたしかなようだ。
将来的には、経験を積んである程度の力がつけば、小規模でも一国一城の主としての独立開業が夢ではない。
さらに国内だけでなく、世界中どこでもその技量を発揮できることも仕事としての大きな魅力のひとつだ。
ただし、海外での従事は、NGOなどボランティア的派遣が現実的なところなので、それなりの覚悟がいるだろう。
テレビなどで華々しくパラリンピックのサポートをする義肢装具士の姿なども紹介されるが、彼らの多くは金銭的バックアップも少なく、かなりの部分をボランティア精神で行っていることが多いということだ。
医療スタッフの生活と収入は保障されている?
義肢装具会社は民間企業なので当然だが、医療機関も社会的に見れば、ひとつの企業体である。
景気の変動や会社の業績の好調などの影響が給与に反映されることも考えられるところだが、医療スタッフの場合は、基本的に給与が大幅にカットされたり、突然リストラにあうということはいまのところはない。
医療機関は国民共有の財産「社会資源」として、関連するスタッフは公務員並みに生活と収入の安定が保障されているからだ。
しかし、最近はそのようすもだんだん変化を見せ始めている。
ある準公的病院が、国の施策で突然廃院となったケースもあった。
福祉も、2000年の介護保険制度のスタートによって、以前の公共サービスから、サービス産業としての色合いの濃いものに変わってきている。
そんなことも頭の片隅にとどめておいてほしい。
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義肢装具士の勤務状況
さて義肢装具士だが、有資格者数約2900人のうち病院勤務者は60人弱(約2%)という状況が示すように、その勤務先は医療機関ではなく、民間の義肢装具製作所、材料・パーツ関連会社といった「企業」が基本となる。
勤務時間帯は、医療機関に出向いての作業が多いので、基本的には日中の診療時間帯とあわせたものが基本となる。
しかし、やはりモノ作りという仕事がら、残業をすることは少なくないようだ。
だからといって、休日返上で休みがまったくないということではないが、少なくとも土曜出勤は多くなっているようだ。
ところで、ある義肢装具士さんからモノ作りの職種ならではのエピソードをひとつうかがった。
「義肢装具士は、経験が浅いか、ベテランになるほど忙しさが増す」
というものである。
経験が浅ければ何度も作り直しをしたりするので時間がかかり(ときには、それでも結局、患者にあうモノが作れないこともある)、
逆に技術に磨きがかかってくると、患者から指名で義肢作りや装貝作りを依頼されるケースが増え忙しさが増すそうである。
いずれも、ときには休日返上ということもあるようだが、社会人となればどんな職業でも、休日返上のケースはあり得るので、義肢装具士だけが特殊なわけではないことは心得ておこう。
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義肢装具士の特殊な勤務形態
一般に医療職は、医療機関に身分を置き業務を行うが、義肢装具士の場合は、民間の義肢装具製作会社や障害者福祉センターなどの施設に所属し、会社が契約している病院や診療所に出向いて業務を行う者が大半である。
統計に示されるように、義肢装具士の有資格者は全国で約3000名あまりになるが、医療機関に所属する義肢装具士は、わずか50人ほど。
ほかの医療職と比べると際だって少なく、義肢装具士が特殊な業務形態をとる職種であることがよくわかるだろう。
ただしこのような業務形態でも、あくまで義肢装具士の業務は医師の指示のもとに行うことが法のもとに定められている。
だから病院の外にいながら、病院の医師や理学療法士、作業療法士などの関連する専門職種と連携し、患者や障害者の要望に耳を傾けながら義肢や装具を製作しなければならないが、やはり病院の外にいるということで、なかなか医療の中心にかかわりにくいという面は否定できない。
本来なら、義肢装具士が病院で、患者への適合、さらにそれをつけての訓練なども行われたほうが自然なのだろう。
しかし義肢装具士法でその業務が、従来医師・看護師などが行ってきたことを補うと位置づけられていることもあり、先に述べたような、ギプスやコルセットの採寸・採型などの一部業務は、医師・看護師によって優先的に行われているし、
義肢・装具をつけての訓練は理学療法士や作業療法士によって行われているという現実があるのだ。
ニ分化が進む義肢装具製作会社
義肢装具製作会社は全国で約400社あるが、社員10人以下という小規模な会社が大半を占める。
「モノ作り」が中心となる義肢装具士の仕事は基本的にはひとりですべての作業が可能であること、伝統的な職人の世界に見られるように、
資格化によって教育制度が整備されるまでは、先輩のいる製作所で仕事を覚え独立開業をすることが一人前の義肢装具士になるための道とされてきたことが、小規模な会社が多い理由のひとつとなっている。
現在も義肢装具製作会社は、親子や兄弟によって経営される家内制手工業的な企業が多い。
独立開業をめざす流れにいまでも大きな変化はないが、それでも義肢装具製作会社のあり方自体は以前とは少しずつ変わってきている。
たとえば、従来は、採寸から製作、適合までを一連の流れとしてひとりあるいはひとつの会社ですべてを行っていたが、最近では採寸・採型、適合を中心とした会社と、製作のみを行う会社とに二分化しつつある。
数百種類におよぶ義肢・装具は、多くの部品からできているが、一から製作していては効率も悪いし採算性も上がらない。
そこで部品作りやある程度の組立・加工をする会社と、部品や加工品を仕入れ、オーダーにあわせて仕上げていくソフト面を重視する会社とに仕事の流れが分かれてきているのである。
医療・福祉の分野以外でも技術を生かしたモノ作りに取り組む
また、義肢装具製作会社が医療・福祉に足場を置いていることに変わりはないが、いままで以上に、広くダイレクトに一般社会あるいは消費者に目を向けるようになってきたことで、
従来の義肢・装具という概念を超え臨床医学や義肢装具工学などの技術を生かしたモノ作りに取り組む企業も増えている。
なかでも高齢社会をキーワードに、高齢者の日常生活を助ける福祉機器や器具の開発・製作を手がけるところが多くなっていることはひとつの特徴で、
みなさんもよく知っている車椅子は、いまでは義肢装具製作会社の主要な商品のひとつとなっている。
また、先に紹介したくつがた靴型装具に関しては、義肢装具士ならではの機能性に加えおしゃれさを兼ね備えたオーダーメイド靴として、その製作と販売に力を入れるところも増えてきた。
このように義肢装具士の仕事は、たんに患者・障害者のために義足や義手を作ることから、広く社会に暮らす人びとの生活をサポートし豊かにするための技術を提供する職業となりつつある。
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義肢装具士の主な仕事
モノ作りを仕事とする医療技術者
義肢装具士(PO)は、医療職の中では数少ない 「モノ作り」を仕事とする職人気質の職種だ。
不慮の事故や病気などで手足を失った人びとのために人工の手足を作ったり、骨折したときに使うギプスや腰痛患者などが腰を固定するために使うコルセットなどを製作することが仕事である。
その活躍する姿は新聞のコラムやテレビのドキュメンタリー番組で報道される機会も増えたので、みなさんも一度は見たり聞いたりしたことがあるかもしれない。
世界各地の戦争被災地へ赴き、地雷などで手足を失った被災者の義手・義足作りに従事する義肢装具士、
あるいは障害者スポーツの祭典パラリンピックに出場する義足の陸上選手やスキー選手をサポートする義肢装具士の姿などである。
もちろん、それらはごく一部の義肢装具士の姿で、通常は医療・福祉の世界に足場を置き、医師の指示のもと患者・障害者のニーズにあわせた義肢・装具作りにかかわっている。
「義肢」と「装具」
義肢・装具とは、義肢装具士法できちんと定義され、障害の部位および目的によって分類されている。
「義肢」とは人工の手足すなわち義手や義足のこと、ギプスやコルセットなどは「装具」 に分類される。
実際には、障害の部位・目的によって作られる義肢・装具は違ってくるので、さらに細かく分類されていて、製作にあたっては、個々に必要となる材料や部品はもちろん、作り方もそのつど変わってくる。
義肢・装具作りは、かなりバリエーション豊かな仕事でもあるのだ。
たとえば、義足を見ても切断部位によって足指先のものから股関節、骨盤切断用義足と障害の部位によって複数の種類があり、
そしてこれら義足は、作る目的によって大きく仮義足と本義足に分けられている。
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注目を浴びてきた義肢装具士の技術・仕事の重要性
義肢装具士の日常の仕事は、患者さんに合わせた義肢や装具を製作することですが、一人ひとりがそれぞれに固有の身体的な特徴をもっていますし、疾患も違います。
まず義肢装具が必要な部位の型を取り、それに沿って製作の作業をしていくわけですが、ここが義肢装具士の技術が発揮できるところです。
製作過程はほとんどが手作業で行うので、神経を使います。
患者さんに適合する義肢や装具をつくるために実際に装着していただき、少しずつ調整を加えながら完成していくわけですが、患者さんに満足してもらえる義肢や装具が出来たときは最高の喜びです。
病院で働く義肢装具士はここで仕事が終わるわけではなく、義肢装具をつけてのリハビリテーションの場で、理学療法士や作業療法士の人たちと協力して、患者さんの社会復帰を目指すのです。
ますます要求される義肢装具士の技術
1998年冬の長野パラリンピックの報道で、義肢装具士の仕事は多くの人に知られるようになりました。
選手達の義手や義足の調整、またアイスレッジスケートやスキーの椅子部分の製作にも義肢装具士が携わり、日本選手の活躍をサポートしました。
世界の舞台で私たちの技術が役に立ったということは大きな誇りですが、それにも増して身体障害者の間にスポーツが盛んになったことがいちばんの喜びです。
21世紀はおそらく身体障害者の社会進出がより盛んになることでしょう。
それに伴ってより装着感のよい義肢装具の製作が要求されるようになります。
高齢社会の中で、お年寄りの身体の機能を助ける装具の開発も大きな課題となっていくことでしょう。
義肢装具もエレクトロニクス技術の導入により、精密でより快適なものが登場してきています。
義肢装具士の技術もそれにともなって向上させていかなければなりません。
義肢装具の仕事は、医師の処方によって発生する仕事ではありますが、他の医療資格に比べると独立性が強く、開業することも可能な資格です。
また、同じ人が二人といないように、義肢装具もその人固有の身体的特徴に合わせて製作するものですから、
大量生産ができるものではなく一つ一つに義肢装具士の技術とセンスを生かすことができます。一生をかけて追求するに足る仕事だと思います。
国家資格ですが、病院でも製作会社でもまだまだ人材は不足しています。
昔は身体障害者への偏見からか、義肢装具の仕事に対する理解も不足しがちでした。
しかし、バリアフリーの社会の確立が叫ばれ、老人医療の重要性がますます大きくなっていくに従って、これからは病院や義肢装具製作所だけではなく、福祉関係の施設などでも義肢装具士が活躍するようになるでしょう。
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義肢装具士に求められるもの
義肢装具士は非常に古くからある職種である。
近年では、交通事故や労災事故、薬害、疾病などで、四肢(両手両足)を欠損したり機能を失った人たちが増えていることもあって、対象とする損傷はさまざまに増えている。
しかも、人間の体形は本来一人ひとり異なるうえ、四肢欠損の原因も多種多様となれば、個々の患者にもっともふさわしい義肢装具を開発、製作、選択し、調整しなければならない義肢装具士の仕事の幅広さと困難さは想像がつくのではないだろうか。
また、義肢装具の開発・製作は、その時代の科学技術水準に左右されるという側面もある。
人びとの生活が豊かになれば、その時代に即して患者が求めるQOL(生活の質)も高まってくるので、自然と求められる「性能」も高度になってくる。
義肢装具士を志す人たちに求められる適性・能力も、時代とともに変わりつつあると言えるのではないだろうか。
たとえば最近の義手は、切断部分の筋肉から動かそうとする意思(電気信号)を読み取り、内蔵したモーターを駆動することで、患者の思う動きをかなり再現できるようになっている。
また、歩く速度に応じて内蔵のマイクロコンピュータがひざ関節の曲がりぐあいを調節し、走ることもできる義足も開発されている。
このため、義肢装具士には機械工学だけでなく、電子工学や制御工学などマイクロエレクトロニクスについての広範な知識が要求されるようになってきている。
義肢装具を構成する素材としては、軽くて丈夫なことに加えて生体との適合性も大切な条件で、金属やプラスチック、シリコンなど素材工学の素養も必要になるのだ。
先端技術だけでなく、義肢装具(機械)と生身の人(生体)をつなぐインターフェースを作るために、手足を失った人の身体を採寸してソケットを成型するという伝統的な技術は職人ベースとして要求されろところが。
以上から、義肢装具士に求められる最大の要素は「技術的知識」と「器用さ」のように見えるが、
失われた身体機能を義肢によって回復することには、手足を失った人がより人間らしく生きる手助けをするという意義が多分に含まれていることを忘れてはならない。
社会復帰をめざす人と緊密に意思疎通を図りながら、義肢を最適な状態に調整しその願いを実現させるには、義肢を装着して生活する人の身になって作業する「思いやり」こそが求められると言えるだろう。
また、義肢装自重は医療職の位置づけではあるが、実際は、大半は民間の義肢装具製作会社に社員として所属しており、病院やリハビリセンターなどに出向いて作業をすることが多い。
最近では、精密な義肢装具は専門のパーツメーカーで製作され、義肢装具士は、それらを仕入れて適合作業を受け持つという分業も進んでいるようだが、
いずれにせよ、病院やリハビリセンターでは患者を中心とするリハビリテーションチームの一員であるものの常駐者ではない。
またいっぽうで外部メーカーとの緊密な連携が必要なわけだから、「上手にコミュニケーションできる能力」というのも求められるところだ。
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義肢装具士
義肢装具士の仕事 身体機能の損失を補う義肢を制作する
義肢とは、切断により四肢の一部を欠損した場合に元の手足の形態または機能を復元するために装着、使用する人工の手足のことです。
また、装具とは、四肢・体幹(胴体部)の機能障害の軽減を目的として使用する補助器具のことであり、
具体的には骨折した人に対してのギプスやコルセット、車椅子や松葉杖なども装具に入ります。
義肢装具士は、義肢や装具を必要とする人たちのために、医師の処方に基づいて、患者に合わせて身体の型を取り義肢や装具の製作、装着して調節する、いわゆる適合に当たります。
また、装着後の指導も行います。
義手や義足を作る技術者は以前にもおりましたが、厚生大臣の認可する国家資格となったのは、1988年と比較的最近のことです。
これは最近の医療の傾向として、早期リハビリテーション医学の重要性が指摘されるようになり、理学療法士、作業療法士などと並んで義肢装具に携わる医療技術者の重要性が増したためです。
福祉的な役割も求められる
義肢装具士の仕事は、交通事故や病気で身体の機能を失った人のための義肢装具を製作することが主な仕事でした。
しかし最近では、失われたり低下した身体各部の機能を義肢や装具により補うことで、日常生活のハンディキャップを軽減することが、特に高齢者の日常生活を快適にするために必要になってきました。
ですから義肢装具士の仕事は、医療の場だけでなく高齢者福祉の場でも、今後ますますその重要性を増すことでしょう。
一般の病院には義肢装具士がいる所は少ないようです。
リハビリテーション施設のある公立病院には義肢装具士がいますが、一般病院では義肢装具の仕事を民間に委託している所が多く、資格取得者は民間の義肢装具製作所に就職するケースが多いようです。
これは、病院の医師の指示により民間の義肢装具製作所が、義肢や装具を製作するというのが一般的な傾向だからです。
それに、患者一人ひとりに使いやすい義肢や装具を提供するために長年の技能の蓄積、またリハビリテーション工学・医学をはじめとする専門知識の修得、また芸術的センスをも要求される資格です。
義肢装具士は比較的新しい資格ですので、有資格者の数は少なく将来性のある資格です。
また医師の指示に基づく仕事ではありますが、医師や患者から信頼される義肢装具士として独立開業も可能です。
現に多くの病院では義肢装具の製作は民間に委託しています。
義肢装具士の就職先 病院や民間の義肢装具製作所
義肢装具士の養成校あてに求人があり、そこでの紹介による就職が一般的です。
主な就職先は、病院や民間の義肢装具製作所などです。
リハビリテーション施設のある病院では、そのチームの一員として就職する場合がありますが、一般の病院に義肢装具士がいるケースはまれで、病院の委託を受けた民間の義肢装具製作所が製作に当たるので、製作所への就職が圧倒的に多くなります。
新しい資格のため有資格者は少なく、就職率はほぼ100%といってよいでしょう。
今後は、義肢装具の製作についてもエレクトロニクスを応用する技術が求められるようになり、研究、開発の仕事に携わる人も増えていくものと思われます。
義肢製作の細部は、手作業で行われます。
カテゴリー:義肢装具士
